せっかく高価な機械を手に入れていただいても、機械の性能が十二分に発揮されなければ意味がありません:故障させない維持管理をしましょう。定期点検・整備・調整こそ、機械の故障を防止し、修理などで生じる時間のロスをなくし、常に最高の刈り上がりを実現し、機械の寿命を延ばすための最も基本的な手段です。色々な経験や統計から、ターフ管理機械の使用中に起こるトラブルの大半は、グリスアップなどごく基本的な整備をきちんと行っていさえすれば防止できた可能性が高いことがわかっています。

オペレーターズマニュアルに記載されている整備・調整事項をきちんと実施しましょう。製品によっては基本的な整備内容とその時期を示す「クイックレファレンス」整備ステッカーが機体に貼ってあります。マニュアルに記載されている整備内容は、最低限の保守整備として推奨される作業です。機械の使用環境が非常に厳しい場合、たとえば炎天下、ゴルフ場の建設中のターフの初期育成、目砂を散布した直後のグリーン刈りなどに使用されている場合には、推奨されている整備間隔よりも短い間隔で整備を行っていただくことをお奨めします。

整備・修理作業には、必ずトロの純正部品をお使いください。トロの純正部品は、その機械が実際に使用される条件に合わせて設計され、素材を指定して作られています。“Will fit” の部品は、見かけは同じようであっても、部品としての性能が全く異なる場合があります。安いからという理由で性能の劣悪なパーツを使用することは、大切な機械本体に取り返しのつかない劣化を引き起こしてしまう危険があり、トラブルが起こった場合にはかえって高額な修理費用が掛かってしまいます。

計画的な整備と作業内容の記録

一台一台のマシンについて、その定期整備時期を把握して確実に整備を行い、また、その作業内容をきちんと記録しておきましょう。記録をつけることで、次に必要になる部品などの手当てもしやすくなります。フィルタ、ベッドナイフ、ベルト、シールなど通常必要となるパーツをある程度ストックしておけば、パーツがなかったので機械が動かず、必要な作業ができなかったというような事態を防ぐことができます。

トロのオペレーターズマニュアルには、定期整備表と始業点検表がついています。